IBS

過敏性腸症候群(IBS)の相談

腹痛・便秘・下痢・お腹の張りが繰り返す——
検査で他の病気がないことを確認したうえで、生活・食事と薬の両面からご相談に応じます。

◎ 慢性的な腹痛・お腹の張り ◎ 便秘と下痢を繰り返す ◎ 大腸カメラ対応 ◎ 生活・食事指導 ◎ 痔・便漏れ併発も相談可

最終更新日:2026年6月23日|監修:院長 錦織 英知(日本大腸肛門病学会 専門医・指導医)

Overview

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、腹痛や腹部の不快感とともに、便秘・下痢といった便通の異常が慢性的に繰り返される病気です。 症状は排便によって軽くなることが多く、お腹の張り・ガス・残便感などを伴うこともあります。日常生活に支障が出るほど症状に悩まれる方も少なくありません。

IBS の大きな特徴は、大腸カメラなどの検査をしても、炎症や腫瘍といった目に見える器質的な異常が見つからないのに、腹痛・便通異常が続く「機能性の疾患」である点です。 腸そのものが壊れているわけではなく、腸の動きや知覚(感じ方)の調節がうまくいかなくなっている状態と考えられています。

機能性の疾患であるからこそ、まず似た症状を起こす他の病気(炎症性腸疾患・大腸ポリープ・大腸がんなど)がないことを確認することが、IBS への対応の出発点になります。 検査で異常がないと分かること自体が、安心して生活・食事や薬で症状を整えていく土台になります。

Causes & Risk Factors

原因・リスク要因

原因は一つではなく、ストレスや腸内環境、食事・生活習慣などが複合的に関わるとされています。

ストレス・自律神経(脳腸相関)

腸と脳は神経やホルモンを介して密接につながっており(脳腸相関)、精神的なストレスや緊張・不安・疲労があると自律神経のバランスが乱れ、腸の動きや知覚に影響が出ると考えられています。

腸内細菌・感染後

腸内細菌のバランスの乱れが関係しているとされ、また感染性腸炎(細菌・ウイルスによる急性の腸炎)にかかったあと、症状が続いて IBS につながる(感染後 IBS)こともあるとされています。

食事内容

脂質の多い食事・刺激物・カフェイン・アルコールなどで症状が出やすくなる方や、特定の食材で悪化する方がいます。食事の内容やタイミングが症状の引き金になることがあります。

生活リズム

睡眠不足・不規則な生活・過労・運動不足など、生活リズムの乱れが症状を悪化させる要因になることがあります。気温の変化や環境の変化が引き金になる方もいます。

体質・腸の知覚の過敏さ

腸が刺激に対して敏感になり、通常では気にならない程度のお腹の動きやガスでも痛みや不快感として感じやすくなっていることがあるとされています。

特定の場面・心理的要因

通勤・通学・会議・試験など、トイレに行きにくい場面や緊張する状況で症状が出やすくなることがあり、「また症状が出るのでは」という不安自体が悪循環につながることもあります。

IBS のはっきりした原因は一つに特定されていませんが、これらの要因が重なって症状が起こると考えられています。何が引き金になっているかは人によって異なるため、生活背景も含めて伺ったうえで対応を組み立てます。

Types & Symptoms

種類と症状

IBS は、便の形と頻度のパターンによって、大きく下痢型・便秘型・混合型・分類不能型に分けられます。 どのタイプかによって出やすい症状やお困りの場面が異なり、対応の組み立て方も変わってきます。

IBS-D

下痢型

緩い便・水様便を伴うタイプ。突然の便意・腹痛で日常生活に影響が出やすく、通勤・外出時の「トイレに行けるか」という不安につながりやすい特徴があります。

IBS-C

便秘型

硬い便・コロコロした便でなかなか出ないタイプ。腹部膨満感や、強くいきまないと出ない・残便感があるといった症状を伴うことがあります。

IBS-M

混合型

下痢と便秘を交互に繰り返すタイプ。日や週によって便の形・頻度が変わるため、症状に合わせた対応の調整が必要になるケースが多くあります。

IBS-U

分類不能型

便の形のパターンが上記いずれにも当てはまらないタイプ。経過を見ながら、その時々の症状に合わせて対応を組み立てます。

こんな症状はありませんか?
次のような症状が繰り返し続いている場合、IBS の可能性があります。

  • 腹痛・お腹の不快感があり、排便すると軽くなることが多い
  • 便通異常(下痢・便秘、またはその繰り返し)が続いている
  • お腹の張り・腹部膨満感・ガスが気になる
  • 便意で急にトイレに行きたくなる・残便感がある
  • 通勤・通学・会議など緊張する場面で症状が出やすい
  • 3か月以上、繰り返し似た症状が続いている

一方で、血便・体重減少・発熱・夜間に症状で目が覚める・原因のはっきりしない貧血などは、IBS では通常みられにくく、他の病気の可能性を含めて確認すべき注意すべき所見です。 これらがある場合は、自己判断で IBS と決めず、お早めにご相談ください。

Examination & Diagnosis

検査・診断

まず他の病気の有無を確認したうえで、症状のパターンから IBS かどうかを判断していきます。

1

問診(症状の整理)

症状の経過・便の形と頻度・お困りの場面・生活背景・血便や体重変化の有無、ご家族の腸疾患歴などを丁寧に伺います。 IBS は症状のパターンが診断の手がかりになるため、まず状態を整理するところから始めます。

2

器質的疾患の除外(最も大切な確認)

IBS の診断では、まず似た症状を起こす器質的疾患(大腸がん・炎症性腸疾患・大腸ポリープなど)がないことを確認することが最も重要です。 血液検査・便潜血検査などで全身や腸の状態を確認します。

3

必要に応じて大腸カメラ

血便・体重減少などの所見がある方、50歳以上で大腸カメラ未経験の方、症状が長引く方などでは、大腸の内側を直接観察する大腸カメラで器質的な異常の有無を確認します。 「検査が初めて」「不安が強い」という方には、鎮静下で受けていただける環境を整えています。

4

診断基準(Rome 基準)での判断

他の病気がないことを確認したうえで、腹痛が排便と関連する・便の回数や形が変化するといった症状のパターンを、国際的な診断基準(Rome 基準)に照らして判断します。 一般に、繰り返す腹痛が一定期間(おおむね3か月以上)続くことが目安とされます。

「他の病気がない」と確認すること自体が治療の一部です
IBS は機能性の疾患のため、検査で器質的な異常がないことを確認できると、それ自体が不安の軽減につながり、その後の生活・食事や薬による対応を安心して進める土台になります。

Treatment & Our Role

治療・当院の対応

IBS への対応は、まず背景にある他の病気がないことを大腸カメラなどで確認したうえで、生活・食事面の調整症状のタイプに合わせた薬物療法を組み合わせて、無理のない範囲から段階的に整えていきます。 症状の出方は人によって大きく異なるため、一度に多くを変えるのではなく、経過を見ながら調整していくことが大切です。

生活・食事指導

食事の内容・タイミング、刺激物(アルコール・カフェイン・脂質)の摂り方、睡眠・運動・ストレスへの対処など、ご自身の症状パターンに合わせて整えます。 極端な制限よりも、何が引き金になりやすいかを把握することが大切です。管理栄養士による相談も組み合わせ可能です。

薬物療法

整腸薬・便の水分量を整える薬・腸の動きを調整する薬・便通を改善する薬・症状に応じた頓服など、症状のタイプ(下痢型・便秘型・混合型)に合わせて選択します。 一度に多くを変えず、効果や体調を見ながら段階的に調整していきます。(保険診療)

大腸カメラによる背景疾患の確認

炎症性腸疾患・大腸ポリープ・大腸がんなど、IBS と似た症状を起こす疾患の有無を確認します。 背景に他の病気がないことを確かめることが、IBS への対応の前提です。鎮静下で受けていただけるため、検査が初めての方もご相談ください。(保険診療)

併発症状もまとめて相談

IBS には、便秘の悪化、いきみによる痔の悪化、まれに便漏れなどが併発することがあります。 当院は大腸肛門領域全般を専門に診ているため、関連する症状も同時にご相談いただけます。

当院は外来のクリニックです。問診・検査による他疾患の確認から、生活・食事指導、薬物療法までを一貫してご相談に応じます。 「相談しても仕方ない」と感じていた方も、まずは状態を伺うところから始めましょう。

From Our Doctor

担当医より

院長 錦織英知 医師

錦織 英知

院長 / 大腸肛門病専門医

「IBS は症状の出方が人によって大きく異なり、生活背景や体質との関わりも深い疾患です。 まずは似た症状を起こす他の病気の有無を丁寧に確認し、そのうえで生活・食事と薬の両面から少しずつ整えていく方針をご提案します。 『相談しても仕方ない』と感じていた方も、一度状態を伺うところから始めましょう。」
日本大腸肛門病学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医 大腸肛門機能障害研究会 世話人
FAQ

よくある質問

腹痛・便秘・下痢を繰り返すお悩みは「消化器内科」「胃腸内科」「大腸肛門外科」が対象になります。当院では大腸肛門専門医が、問診から大腸カメラによる他疾患の確認、生活・食事指導、薬物療法まで一貫してご相談に応じます。
IBS は、まず検査で器質的な異常がないことを確認したうえで診断する機能性の疾患です。IBS と似た症状を起こす疾患(炎症性腸疾患・大腸ポリープ・大腸がん等)がないかを確認するため、症状の経過・年齢・血便や体重減少などの所見に応じて大腸カメラをお勧めする場合があります。当院では鎮静下での大腸内視鏡検査に対応しています。
IBS は腸と脳の連携(脳腸相関)の働きが関係していると考えられており、ストレス・不安・睡眠不足・疲労などで症状が変動しやすい特徴があります。生活背景も含めて伺ったうえで対応をご提案します。
症状のタイプ(下痢型・便秘型・混合型など)と生活背景に合わせて、生活・食事指導と薬物療法(整腸薬・便の水分量を整える薬・腸の動きを調整する薬など)を組み合わせます。一度に多くを変えるのではなく、無理のない範囲から段階的に整えていきます。
Consultation

繰り返す腹痛・便通異常をご相談ください

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まず他の疾患の有無を確認したうえで、生活・食事と薬の両面からご提案します。

WEB予約(24時間) ☎ 06-6389-0704
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