Blood in Stool
血便・黒色便(下血)
血便・黒色便(下血)の原因と受診の目安——
原因は痔から大腸がん・胃十二指腸潰瘍までさまざまです。
大腸カメラ・胃カメラ(鎮静下対応)で出血源を確認します。
最終更新日:2026年6月23日|監修:院長 錦織 英知(日本大腸肛門病学会 専門医・指導医)
こんなときは すぐに受診を
次のような症状を伴う場合は、緊急の対応が必要なことがあります。
- ●大量の出血がある
- ●黒色便(タール便)が続く
- ●立ちくらみ・動悸・冷や汗・顔面蒼白などがある
- ●激しい腹痛を伴う
診療時間内は速やかに医療機関を受診してください。夜間・休日は救急外来(必要に応じて救急車)の受診をご検討ください。
考えられる原因
血便・下血は、消化管のどこかから出血して起こります。便に混じる血の色は出血した場所のおおよその見当をつける手がかりになります。「痔のせい」と思い込んで放置すると、大腸ポリープや大腸がんなど治療が必要な病気を見逃すことがあります。色や症状を確認したうえで、検査を受けることが大切です。
鮮血便(赤い血)— 大腸・直腸・肛門からの出血
鮮やかな赤い血が便に付着・混入する場合は、肛門に近い大腸・直腸・肛門からの出血が多く、暗赤色便や粘血便(ゼリー状の血液を伴う)になることもあります。主な原因には次のような病気があります。
- ● 痔核(いぼ痔) — 排便時の鮮血。血便で最も多い原因のひとつ
- ● 裂肛(切れ痔) — 排便時の痛みを伴う少量の鮮血
- ● 大腸ポリープ — 自覚症状が乏しいことも。放置でがん化することがある
- ● 大腸がん — 早期は無症状のことが多く、検査での発見が重要
- ● 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病) — 粘血便・下痢・腹痛を繰り返す
- ● 大腸憩室出血 — 痛みを伴わず、突然まとまった量の出血が起こることがある
黒色便・タール便(真っ黒な便)— 胃・十二指腸など上部消化管からの出血
真っ黒でドロッとした便(タール便)は、胃・十二指腸など上部消化管からの出血が、腸を通る間に黒く変化したものです。次のような病気が疑われます。
- ● 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 — みぞおちの痛みを伴うことが多い
- ● 胃・十二指腸のびらん、胃がんなど — 黒色便が続く場合は胃カメラで確認します
※ 鉄剤や一部の薬・食べ物でも便が黒くなることがありますが、出血による黒色便と区別がつきにくいため、自己判断せず受診してください。
出血源を確認する検査
血便・黒色便の原因を確かめるには、出血している場所を直接確認することが基本です。便の色や症状に応じて、大腸カメラ・胃カメラを行います。当院では鎮静下(うとうとした状態)での検査に対応しており、つらさを抑えながら受けていただけます。
大腸カメラ(鮮血便・血便)
大腸・直腸・肛門の粘膜を直接観察し、痔・ポリープ・がん・炎症・憩室出血などの出血源を確認します。検査と同時にポリープ切除や止血処置を行える場合もあります。
胃カメラ(黒色便・タール便)
黒色便がある場合は、胃・十二指腸からの出血を疑い胃カメラで確認します。胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの有無を調べ、必要に応じて処置を行います。