Gastric Cancer
胃がんの検査・早期発見
早期の胃がんは症状が出にくく、気づかないうちに進むことがあります——
定期的な胃カメラとピロリ菌対策が、早期発見の鍵です。
江坂駅徒歩2分。土曜診療・WEB予約対応。
最終更新日:2026年6月23日|監修:院長 錦織 英知(日本大腸肛門病学会 専門医・指導医)
胃がんとは
胃がんは、胃の壁のもっとも内側にある粘膜の細胞が、何らかの原因でがん細胞に変化し、増殖を繰り返すことで生じる悪性腫瘍です。進行するにつれて胃壁の深部に広がり、リンパ節や他の臓器へ転移するリスクが高まります。日本人に多いがんの一つで、年齢を重ねるほど罹患する方が増える傾向にあります。
胃がんの多くは、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染が長く続くことを背景に、胃粘膜が薄く弱くなる萎縮性胃炎が進んだ土壌から発生すると考えられています。だからこそ、ピロリ菌の検査・除菌と、症状の有無にかかわらない定期的な胃カメラによる早期発見が重要だと考えられています。
一方で、早期の胃がんは自覚症状がほとんど出ません。 症状が出てから見つかると進行していることもあるため、「症状がないこと」は安心の理由になりません。定期的な胃カメラとピロリ菌対策が、早期発見の大きな手がかりになります。
胃がんの原因・リスク要因
ピロリ菌感染を中心に、生活習慣や加齢、体質的な要因が関わるとされています。
ピロリ菌感染
胃がんの最大のリスク要因とされています。胃に住みつくピロリ菌の感染が長く続くと、胃粘膜の炎症が慢性化し、胃がんが発生しやすい状態につながると考えられています。
萎縮性胃炎
ピロリ菌感染などにより胃粘膜が薄く弱くなった状態です。萎縮が進んだ胃は、胃がんが生じやすい土壌になるとされ、健診で指摘された方は経過確認が望ましいとされています。
塩分の多い食事
塩分の多い食事や、塩蔵・漬物などの摂りすぎは、胃粘膜への負担となり、胃がんのリスクを高める要因として指摘されています。
喫煙・食生活
喫煙は胃がんの発症リスクを高める要因とされています。また、野菜・果物の不足など栄養バランスの偏った食生活もリスク要因として挙げられます。
加齢
年齢を重ねるほど罹患する方が増える傾向があり、一般に50歳前後からは定期的な胃カメラを考える目安とされています。
家族歴
ご家族(特に親・兄弟姉妹)に胃がんの方がいる場合、リスクが高まるとされています。ピロリ菌感染は家庭内でみられることもあり、家族での検査が勧められる場合があります。
これらの要因がある方すべてが胃がんになるわけではありません。一方で、ピロリ菌感染・萎縮性胃炎を指摘された方や、当てはまる項目が多い方は、症状がなくても一度ピロリ菌の検査と胃カメラで状態を確認しておくと安心です。
種類と症状
胃がんは、がんが胃の壁のどこまで及んでいるかによって、おおまかに早期胃がんと進行胃がんに分けられます。 早期胃がんはがんが粘膜やその下の浅い層にとどまっているもので、進行胃がんは胃壁の深くまで及び、リンパ節や他の臓器への広がりがみられることがあります。進行の程度によって、選択しうる対応が変わります。
こんなサイン・きっかけはありませんか?
早期では症状が出にくく、進行してから次のような症状が現れることがあります。
- ✓ みぞおちの痛み・不快感・胸やけが続いている
- ✓ 食欲が落ちた・吐き気がある・少し食べると満腹になる
- ✓ 黒い便(タール便)が出た・意図しない体重減少がある
- ✓ 原因のはっきりしない貧血を指摘された
- ✓ ピロリ菌に感染している・除菌したことがある
- ✓ 健診で萎縮性胃炎を指摘された・しばらく胃カメラを受けていない
早期の胃がんは無症状のことが多く、上記の症状がなくても安心はできません。また、これらの症状は胃炎・胃潰瘍・逆流性食道炎など胃がん以外でも起こりうるものです。 症状だけで判断せず、必要に応じて胃カメラで状態を確認することが、適切な対応への第一歩になります。
検査・診断
胃カメラ・生検を中心に、ピロリ菌の評価まで段階的に確認していきます。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
胃の粘膜を直接、隅々まで観察し、ごく早期の小さな病変や萎縮性胃炎の程度を確認します。胃がんの早期発見にもっとも有用で、診断の中心となる検査です。 「検査が初めて」「以前つらかった」「不安が強い」という方には、鎮静下で受けていただける環境を整えています。
生検(病理検査)
検査中に気になる病変があれば、組織の一部を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べて性質を確認します。これによって、良性か悪性かなどの確定診断につなげます。
ピロリ菌検査
胃がんの最大のリスク要因であるピロリ菌感染の有無を調べます。感染が確認された場合は除菌治療を行うことで、その後の胃がんの発生リスクを下げられるとされており、リスク管理の基本になります。
必要に応じた追加検査(CTなど)
胃がんと診断され、広がりの評価などが必要な場合には、CT・MRI・腫瘍マーカーなどの追加検査が行われます。当院ではこうした精密検査・治療が必要な場合、連携医療機関と協力して進めます。
早期発見の重要性
早期の胃がんはほとんど自覚症状が出ないため、症状が出るのを待っていると進行していることがあります。定期的な胃カメラと、ピロリ菌の検査・除菌によるリスク対策が、早期に見つけるための重要な手がかりです。
治療・当院の対応
胃がんの治療は、見つかった時期や広がりによって異なり、内視鏡的切除(EMR・ESD)・外科手術・抗がん剤(化学療法)などが組み合わせて検討されます。 早期で条件を満たすものはからだへの負担が少ない内視鏡的切除で対応できる場合がありますが、進行したものでは手術や入院を伴う治療が必要になります。 胃がんは「早く見つけること」で治療の選択肢と見通しが大きく変わる病気です。
当院が担当する範囲
当院は外来のクリニックです。相談・胃カメラによる精密検査・生検・所見のご説明までを担当し、 ピロリ菌の検査・除菌でリスク管理を行います。胃がんの早期発見・精密検査・所見説明までを、丁寧に行います。
当院では行わず、連携先へご紹介する範囲
胃がんと判明した場合の手術・抗がん剤(化学療法)・内視鏡的切除(EMR・ESD)・入院を伴う治療は、当院では行いません。 これらが必要な場合は、治療が可能な連携する高度医療機関を責任を持ってご紹介します。紹介状の作成・必要な検査の追加・連携先の調整までお手伝いし、治療前後のご相談にも対応します。
「どこで何をすればよいか分からない」という段階でも構いません。まずは胃の状態を確認し、結果に応じて次のステップ(経過観察・ピロリ菌除菌・再検査・専門医療機関へのご紹介など)を一緒に決めていきます。
担当医より
錦織 英知
院長 / 大腸肛門病専門医