H. pylori
ピロリ菌検査・除菌治療
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃炎・胃潰瘍・胃がんのリスクとなる細菌です——
胃カメラで胃の状態を確認し、保険診療でピロリ菌検査・除菌治療に対応します。
江坂駅徒歩2分。鎮静下の胃カメラ・土曜診療・WEB予約対応。
最終更新日:2026年6月23日|監修:院長 錦織 英知(日本大腸肛門病学会 専門医・指導医)
ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃の粘膜にすみつくらせん状の細菌です。 ウレアーゼという酵素でまわりにアンモニアをつくり、胃酸を中和することで、本来は菌が生きられないほど強い酸性の胃の中でも生き続けます。
多くは免疫が十分に発達していない幼少期に口から感染し、その後、長い年月をかけて胃に慢性的な炎症(慢性胃炎・萎縮性胃炎)を起こします。 ピロリ菌は、胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍、さらには胃がんの主要な原因のひとつと考えられており、感染が続くほど胃へのダメージが蓄積していきます。
感染していても自覚症状が出ないことが多いのがピロリ菌の特徴です。 みぞおちの痛み・胃もたれ・胃の不快感が続く方、胃カメラで「慢性胃炎」「萎縮性胃炎」と言われた方、胃潰瘍・十二指腸潰瘍を繰り返す方、ご家族にピロリ菌感染者や胃がんになった方がいる方、これまで一度も検査を受けたことのない方は、一度確認しておくと安心です。
感染経路・放置のリスク
多くは幼少期の経口感染で、長く放置すると胃の病気のリスクが高まります。
感染経路(幼少期の経口感染)
多くは免疫が十分に発達していない幼少期(特に4歳以下)に、口から入って胃にすみつくとされています。衛生環境が十分でなかった時代の井戸水・食物を介した経口感染や、感染者から乳幼児への口移しなどが背景にあると考えられています。成人後の新規感染は比較的少ないとされています。
慢性胃炎・萎縮性胃炎
感染が続くと胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり、長期間かけて粘膜が薄く弱くなる萎縮性胃炎へと進むことがあります。萎縮が進んだ胃は、胃がんが発生しやすい状態になると考えられています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の多くにピロリ菌が関わっているとされています。除菌しないまま放置すると、治療しても潰瘍を繰り返しやすいことが知られています。
胃がんリスク
ピロリ菌感染は胃がんの主要な原因のひとつとされ、胃がんの多くは慢性胃炎を背景に発生すると考えられています。早めに感染を見つけて除菌することで、リスクを下げることが期待できます。
そのほかの関連する病気
胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)・原因のはっきりしない鉄欠乏性貧血などとの関連も指摘されており、これらでは除菌が検討されることがあります。
早めの確認が大切
感染していても症状が出ないことが多く、気づかないまま胃へのダメージが進むことがあります。胃の不調が続く方や検査歴のない方は、症状の有無にかかわらず一度確認しておくと安心です。
ピロリ菌に感染している方すべてが胃がんなどになるわけではありません。一方で、放置すると胃へのダメージが蓄積していくため、感染がわかった場合は除菌を検討することがすすめられています。
検査の種類
ピロリ菌の検査には、大きく分けて胃カメラ(内視鏡)を使う検査と胃カメラを使わない検査があります。 保険診療でピロリ菌検査・除菌を行う場合は、まず胃カメラで慢性胃炎などを確認したうえで検査を進めるのが一般的です。
① 胃カメラ(内視鏡)を使う検査
検査中に胃の粘膜の一部を採取して調べます。胃の状態(胃炎・潰瘍など)も同時に確認できます。
- ✓ 迅速ウレアーゼ法:採取した組織にピロリ菌のウレアーゼ反応があるかをその場で調べます
- ✓ 鏡検(組織診):採取した組織を顕微鏡で調べ、菌の有無を確認します
- ✓ 培養法:採取した組織から菌を培養して調べます(薬の効きやすさの確認に用いられることもあります)
② 胃カメラを使わない検査
胃の組織を採らずに調べる方法です。除菌後の判定にもよく用いられます。
- ✓ 尿素呼気試験:薬を飲んだ前後の呼気を調べる方法で、精度が高く判定にも広く使われます
- ✓ 抗体測定:血液や尿の中のピロリ菌に対する抗体の有無を調べます
- ✓ 便中抗原測定:便の中のピロリ菌の抗原の有無を調べます
保険診療では胃カメラが入口になります。 保険でピロリ菌検査・除菌を行うには、原則として胃カメラで胃炎などを確認しておくことが必要です。当院では鎮静剤を用いた胃カメラにも対応しており、苦痛を抑えて検査を受けていただけます。
除菌治療の流れ
1週間の内服 → 判定 → 必要に応じて2次除菌、という流れで進めます。
1次除菌(1週間の内服)
胃酸の分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬〔PPI〕またはP-CAB)と、2種類の抗菌薬を組み合わせ、1日2回・1週間内服します。途中で自己中断すると除菌に失敗しやすくなるため、最後まで飲みきることが大切です。
除菌判定
内服が終わってから一定期間(おおむね数週間以上)をあけて、除菌できたかどうかを判定する検査を行います。尿素呼気試験や便中抗原測定などが用いられます。早すぎると正しく判定できないため、間隔をあけて行います。
必要に応じて2次除菌
1次除菌の成功率はおおむね7〜8割とされています。不成功だった場合は、抗菌薬の種類を変えて2次除菌を行います。1次・2次を合わせると、多くの方が除菌に成功します。再び一定期間をあけて判定を行います。
内服中の注意
除菌中は、軟便・下痢・味覚の変化・口内の苦味などが起こることがありますが、多くは一時的です。抗菌薬を含むため、薬のアレルギーがある方は事前にお知らせください。除菌中の飲酒は控えていただくことをおすすめします。気になる症状が出た場合は自己判断で中断せず、ご相談ください。
当院の対応・除菌後の注意
当院は外来のクリニックです。胃カメラによる胃の状態の確認、ピロリ菌検査、保険診療での除菌治療、除菌後の判定検査までを一貫してお受けしています。 胃カメラが初めての方・以前つらかった方には、鎮静下での検査にも対応しています。
当院で対応できること
胃カメラ(鎮静下対応)での胃の確認・ピロリ菌検査・保険診療での1次/2次除菌・除菌判定までを、外来で行います。 検査・治療の流れや結果について、丁寧にご説明します。
除菌後も定期的な胃カメラを
除菌に成功しても、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。 すでに進んだ萎縮性胃炎がある場合などは、除菌後も発がんリスクが残ります。除菌後も、定期的に胃カメラ検査を受け、胃の状態を確認しておくことをおすすめします。
「胃の調子が気になる」「健診でピロリ菌や慢性胃炎を指摘された」「検査を受けたことがない」——どの段階でも構いません。まずは胃の状態を確認し、結果に応じて検査・除菌・経過観察を一緒に決めていきます。